バスケのキホン:マンツーマンディフェンス
こんにちは!
埼玉県久喜市で個人参加型の
バスケットボールサークル「FC Active」
を運営している三浦です。
今回のお話は
マンツーマンディフェンス
です。
バスケプレーヤーなら必ず1度は聞いたことがあると思います。
いや、むしろ知らないとおかしいかもしれません。
というのも、「マンツーマンディフェンス」はバスケのディフェンスの基本ですし、バスケをプレーするなら必ず教わることだからです。
「マンツーマンディフェンス」を知らないバスケ初心者の人は、ここで理解しておきましょう。
マンツーマンディフェンスを理解することは、バスケのディフェンスを理解することと言っても過言ではありません。
是非最後まで読んでみてください。
バスケのキホン:マンツーマンディフェンス【目次】
まずはじめに、今回お話する内容をサラッと見ておきましょう。
目次
1.マンツーマンディフェンスとは?
2.マンツーマンディフェンスの種類
3.マンツーマンディフェンスのポイント
この3本立てでお話していきます。
それでは次から本題に入っていきましょう!
1.マンツーマンディフェンスとは?
まずはじめに
マンツーマンディフェンスってなに?
というそもそもの疑問にお答えしていきます。
はじめに答えをいうと…
マンツーマンディフェンスとは、ディフェンス1人が、決められたオフェンス1人を守るディフェンスのことをいいます。
下の図1を見てください。
青がオフェンス、赤がディフェンスです。
図1のように赤Aは青Aにつく、赤Bは青Bにつく、といった感じで1人が1人につくのがマンツーマンディフェンスです。
厳密にいうと、守るオフェンスの相手が入れ替わることもありますが、最優先の決まり事として「ディフェンス1人が決められたオフェンス1人を守る」というチームでのディフェンスになります。
ちなみに、マンツーマンディフェンスの反対とも言えるディフェンスの戦術は「ゾーンディフェンス」です。
ゾーンディフェンスは、下の図2のようにディフェンスの1人1人が決まった範囲を守るディフェンスの戦術です。
マンツーマンディフェンスと違って、守るオフェンス1人を決めることなく、自分が守る範囲に入ってきたオフェンスに対してディフェンスをする戦術です。
詳しくは、過去のブログでお話しているので良かったら読んでみてください↓↓
過去ブログ⇒バスケのキホン:ゾーンディフェンス
中学生以下のディフェンスについて
中学生以下のバスケでは、マンツーマンディフェンスが推進されていて、ゾーンディフェンスは禁止されています。
これは、日本のバスケットボール全体として「1対1を強化したい」という方針があるからです。
ただ、実際のところゾーンに近いディフェンスをしているチームも見られます。
中学生以下のお子さんに教える立場の人は、純粋に1対1を教えてあげてくださいね。
決まった人につくってことね。
2.マンツーマンディフェンスの種類
マンツーマンディフェンスがどんなディフェンスなのか分かったところで、次はマンツーマンディフェンスの種類についてお話します。
マンツーマンディフェンスには以下の2つの種類があります。
①オールコートマンツーマンディフェンス
②ハーフコートマンツーマンディフェンス
1つずつ見ていきましょう。
①オールコートマンツーマンディフェンス
オールコートマンツーマンディフェンスとは、コート全体を使って相手のバックコートからマンツーマンディフェンスをすることをいいます。
下の図3を見てください。
青のオフェンスが攻める方向は、左から右です(図3の大きい矢印)。
オフェンスの青にとっては左側のコートがバックコート(図3の赤線で囲まれている部分)、右側のコートがフロントコートと呼びます。
オールコートマンツーマンディフェンスの場合、ディフェンスは図3のようにバックコートからディフェンスを始めます。
バックコートからマンツーマンディフェンスを始めるのは
・8秒ルールのオーバータイムを狙う
・フロントコートで攻める時間を減らす
・オフェンスにストレスを与える
・インターセプトを狙う
ということが目的です。
攻めるオフェンスにとってはかなり嫌なディフェンスになるので、うまくいけば大量得点にもつながります。
ただ、前側のディフェンス(図3でいうと赤A,B,C)のプレーヤーにとってはかなり体力的キツイです(笑)
なので、日頃からの体力強化と練習が重要になってきます。
ちなみに、バスケ経験者の人の間では「オールコートマンツー」なんて呼んだりします。
コート全体を使うのね。
②ハーフコートマンツーマンディフェンス
もう1種類のマンツーマンディフェンスは「ハーフコートマンツーマンディフェンス」です。
ハーフコートマンツーマンディフェンスとは、オフェンスにとってのフロントコートからマンツーマンディフェンスをすることをいいます。
下の図4を見てください。
先ほどのオールコートマンツーマンディフェンスとは違って、コートの右側(オフェンスにとってフロントコート:図の赤線で囲った部分)からマンツーマンディフェンスを始めます。
ディフェンスの赤Aを見ると分かりますが、マークマンである青Aがフロントコートに入っていないためディフェンスについていません。
コートの真ん中にあるセンターラインを越えたらディフェンスを仕掛けていくのがハーフコートマンツーマンディフェンスです。
ハーフコートマンツーマンディフェンスは、
・センターラインを越えた瞬間にディフェンスを仕掛けることでバックコートバイオレーションを狙える
・コートの半分だと、オールコートに比べてディフェンスが密集してディフェンスがしやすい
というメリットがあります。
ですが、一番のメリットは、体力の消耗がオールコートマンツーマンディフェンスに比べて格段に少ないということです。
体力的な面も含めてマンツーマンディフェンスの基本はハーフコートマンツーマンディフェンスになります。
チームの方針によっては常にオールコートマンツーマンディフェンスの場合もあるかと思いますが、ほとんどのチームのディフェンスはハーフコートマンツーマンディフェンスになっています。
ちなみに、バスケ経験者の人の間では「ハーフコートマンツー」なんて呼んだりします。
コートの半分だけ。
3.マンツーマンディフェンスのポイント
次に、マンツーマンディフェンスをする上で気を付けたいポイントをお話します。
マンツーマンディフェンスのポイントは以下の6つです。
①マークマンを変えない
②ボールラインを意識する
③1線2線3線
④プレッシャーをかける
⑤声かけ
⑥チーム内での共通認識
1つずつ見ていきましょう。
①マークマンを変えない
これは、一番はじめにお話した通り、マンツーマンディフェンスは「ディフェンス1人が、決められたオフェンス1人を守るディフェンス」です。
なので、当たり前と言えば当たり前ですが、原則、マークにつくオフェンスプレーヤーを変えないことが重要です。
特にバスケ初心者の人が陥りがちな間違いが「ボールを持っているオフェンスに対してディフェンスをする」ということです。
ボールを持っているオフェンスに対してディフェンスをしていると、他のオフェンスが空いてしまうため、パス1本で点が取られてしまいます。
そうならないためにも、決まったマークマンをしっかり守ることが大切です。
マンツーマンディフェンスは、一人一人にマークするオフェンスが決まっているので原則から言えばフリーのオフェンスができないことになります。
逆に言うと、フリーをつくらせないことが目的でもあると言えるかもしれません。
一人一人責任が重い。
②ボールラインを意識する
「ボールライン」
聞き慣れない用語かもしれませんね。
ボールラインとは、コート上のボールの位置とサイドラインをつなげた架空のラインのことをいいます。
下の図5を見てください。
赤丸がオフェンス、青丸がディフェンスです。
上の図5では黄色の矢印で指されている赤丸のプレーヤーがボールを持っています。
このボールからサイドラインにかけて出ている赤い点線がボールラインになります。
ボールラインは、バスケをプレーする上で基本的な考え方です。
図5の状況だと、ボールラインより右側にいるオフェンス、ディフェンスの人数を数えると
・オフェンス(赤丸)⇒5人(ボールを持っているプレイヤーも含みます)
・ディフェンス(青丸)⇒4人
となっていて、ディフェンスが不利(オフェンス有利)な状況になっています。
つまり、ボールラインより後ろにディフェンスプレーヤーがいると、常にディフェンスが不利(オフェンスは有利)な状態になってしまうわけです。
これをマンツーマンディフェンスに置き換えると、ボールラインより後ろにディフェンスが1人以上いる場合、オフェンスの誰か1人以上がフリーの状態になるので、マンツーマンディフェンスが成立しないことになります。
マンツーマンディフェンスをする場合は、常にボールラインを意識しておくことが必要になります。
線見えないけどね。
③1線2線3線
バスケ初心者の人は初めて聞いた人もいるかもしれませんが、「1線2線3線」はマンツーマンディフェンスをする上で基本になる考え方なので、必ずおさえておきましょう。
1線、2線、3線とは、マンツーマンディフェンスの際にボールマン(ボールを持っているオフェンス)からの距離によって決まるディフェンスの位置ごとの呼び方のことをいいます。
1線はボールマンを守っているディフェンスのこと。
2線はボールマンの隣にいるオフェンスを守っているディフェンスのこと。
3線はそれ以外のディフェンスのこと。
例えば下の図6ー1のようにディフェンスがついている場合を考えます。
この場合、1線2線3線それぞれのディフェンスは下の図6-2のようになります。
1線2線3線にはそれぞれ
1線・・・ボールマンを守る
2線・・・パスを入れさせないようにする
3線・・・ボールマンのカバーとマークマンのディフェンス
という役割があるので、それぞれの役割をしっかり果たす必要があります。
1線2線3線については、話すと長くなるのでここでは簡単な説明だけにしています。
詳しくは過去のブログでお話しているので、詳細を知りたい人は過去のブログを読んでみてください↓↓
過去ブログ⇒バスケのキホン:1線2線3線
むずかしい…
④プレッシャーをかける
ディフェンスは、日本語に言い換えると「防御」になるので、受け身のイメージがある人もいるかもしれません。
ですが、マンツーマンディフェンスでは、「攻めるディフェンス」を意識しましょう。
例えば、1対1を考えると分かります。
上の図7-1のようにディフェンスがオフェンスに近づいている場合と
図7-2のようにディフェンスがオフェンスから離れている場合では、どちらがオフェンスにプレッシャーがかかるでしょうか?
答えは分かるかと思いますが、ディフェンスが近いほうがプレッシャーがかかります。
最初のほうで出てきた、ゾーンディフェンスでは決まった範囲に入ってきたオフェンスにしかプレッシャーをかけません。
ですが、マンツーマンディフェンスは、常に1人のオフェンスにディフェンス1人がついているので、常にプレッシャーをかけることでオフェンスもやりづらくなります。
マンツーマンディフェンスでは、受け身ではなく「攻めること」を意識しましょう。
攻めのディフェンス
⑤声かけ
声かけは、マンツーマンディフェンスに限らずディフェンスには必ず必要なことです。
ただ、マンツーマンディフェンスは、「1人が1人を守る」という守り方のため、1人がオフェンスに抜かれた場合他のディフェンスプレーヤーがカバーにいく必要が出てきます。
対照的に、ゾーンディフェンスでは、自分の決められた範囲を守るため、カバーすることを前提にディフェンスをしています。
つまり、マンツーマンディフェンスはゾーンディフェンスに比べて「1人が1人を守る」という責任が重いため、カバーにいくことが遅れる可能性が高いともいえます。
そのため、マンツーマンディフェンスではより、声かけが重要になってきます。
1人オフェンスに抜かれた時に、たとえ自分がカバーに行けなくても「カバー!」と声を出すだけでもそのほかのプレーヤーがカバーに行くことができます。
マンツーマンディフェンスは、特に周りに目を配って声かけをすることが重要になってきます。
みんなに聞こえるようにね。
⑥チーム内での共通認識
最後に、マンツーマンディフェンスでは「チーム内での共通認識」が重要になってきます。
ここまで5つのマンツーマンディフェンスのポイントをお話してきましたが、最後の「チーム内での共通認識」が一番重要だと言ってもいいかもしれません。
例えば
・相手チームのエースにダブルチームを仕掛ける
・ペイントエリアに入ったらディフェンスに寄る
といった決まり事は各チームによって違いますし、各試合ごとにも変わってくることです。
その決まり事をマンツーマンディフェンスをする全プレーヤーの共通認識として理解していないとディフェンスはうまくいきません。
特にマンツーマンディフェンスをする時に重要なのは、ディレクションです。
ディレクションは、「方向づけ」とも言われていて、ディフェンスの基本です。
下の図8を見てください。
図8は、青Cがボールを持っている場面です。
ディレクションは、赤Cがディフェンスをする時に、青Cを「青矢印の方向に行かせるのか?」、「赤矢印の方向に行かせるのか?」ということになります。
青矢印の方向に行かせるようにすることを「ノーライン」
赤矢印の方向に行かせるようにすることを「ノーミドル」
といいます。
どちらにするかは、チームによって変わりますし、ディフェンスの決まり事もガラッと変わってきます。
その意味でも、チーム全員がディフェンスの決まり事を共有することは、ディフェンスを成功させるために一番重要になってきます。
ちなみに、ディレクションについては過去のブログで詳細をお話しているので、良かったら読んでみてください。
過去ブログ⇒バスケのキホン:ディレクション「ノーミドルとノーライン」
心は一つ!
最後に
今回は「マンツーマンディフェンス」についてお話してきました。
マンツーマンディフェンスは、バスケのディフェンスの基本です。
でも奥が深いです。
しっかりマンツーマンディフェンスをやろうと思えば、気を付けることは他にも色々とあります。
バスケ初心者の人は、まずは「決められた1人をフリーにしないこと」を目標にするといいかもしれません。
経験者の人は、より精度を上げるために細かい点に気を付けるようにしていきましょう。
今回のお話も誰かのためになれば幸いです。
FC Active 代表 三浦
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